入局案内
Medical office information

海外研修について

当医局のスタッフは、アメリカを中心に国際学会でも積極的に発表しています。

そこで、入局後2年の間に1度、上級医が参加する海外学会に同行し、国際学会で英語や最先端の研究に触れて刺激を受け、さらに海外旅行という開放感を学ぶというシステムがあります。

AAOS, ORSに参加して

篠塚洋祐(平成25年卒)

篠塚洋祐

2017年3月16日-22日にアメリカのサンディエゴで開催されたAmerican Academy of Orthopaedic Surgery Annual MeetingおよびOrthopaedic Research Society Annual Meetingに、眞島教授、大島先生、松井先生と共に参加させていただきましたので報告いたします。

当医局には「新入医局員は海外学会にカバン持ちとして行ける」という素晴らしい制度がありましたが、すっかりその存在を忘れており専修医の2年間を終えようとしていました。そんな2月の終わり頃、高井教授の手術に入らせていただいていた時に、AAOS行ってみたらどうかというお話をいただき、正直AAOSが何かすらわかっていませんでしたが、「ぜひお願いします!」とお願いしたところ30分後には教授が飛行機を手配して下さいました。

2017年のAAOS, ORSはサンディエゴコンベンションセンターで開催されました。サンディエゴは海も山も砂漠もあり、年間を通して温暖で晴天に恵まれるためAmerica’s Finest Cityとも呼ばれます。コンベンションセンターはガスランプクォーターというダウンタウンの繁華街の目の前にあり、目の前には綺麗な海が広がる最高のロケーションにあります。

空港に到着し、松井先生と共に眞島先生の車に乗せていただき早速学会場へ行き受付をしました。とにかく会場の広さと人の多さに驚きました。日整会に初めて行った時も整形外科医ってこんなにいるのかと驚きましたが、もちろんその比ではありませんでした。とりあえず展示ブースを見学しましたが業者の数も半端ではないです。ZIMMERの広大なブースはテーマパークのようにブルーにライトアップされ、ヤンチャそうなセールスマンとセクシーなお姉様がいっぱいでとてもじっくり見られるような状況ではなかったため、北京の屋台市場のようにごちゃーっと器械が積まれた中国メーカーのブースなどを見て回りました。

翌日からは講演や発表を聞きましたが、とにかく難しい。英語がわからない上に多分日本語で聞いても理解できないであろう内容、そして時差ボケ。なるべく基礎的あるいは興味がある分野に絞ってなんとか理解しようとアハンアハン頷いていましたが3割くらいしか頭に入ってきませんでした。

慣れないことで痛み出す頭を癒してくれたのはご飯です。途中から大島先生とも合流し様々なお店に行きました。大島先生は長くサンディエゴにいらっしゃったためオシャレなお店からローカルなお店まで知り尽くしており、ありとあらゆるお店に連れて行ってくださいました。眞島先生と大島先生は車を運転してくださりアルコールも飲めず、カバン持ちのはずの私はのんびり後部座席という状況、大変申し訳ありませんでした。

AAOSが終わりORSが始まる前の中日は、なんとラッキーなことに学会場の真裏のペトコパーク(メジャーリーグのパドレス本拠地)でWBCが開催されており、松井先生と観戦に行きました。実は野球観戦をするのは人生初でして、それがサンディエゴ、しかもWBCという最高のシチュエーションで本当に楽しかったです。なるべく良い席で観ようと前の方にしたらプエルトリコのガチな応援団のど真ん中でそりゃもう迫力がありました。

ORSでは大島先生、松井先生の発表がありました。英語で質疑応答に応える姿、本当にカッコよく尊敬です。意外だったのは日本人の発表者が多いことでした。研究をして、英語で発表して、自分も今後発表者としてここに立てるようになりたいと思いました。ORSの最後の方にはようやく耳も少し慣れてきたのか海外の方の発表も何となく頭に入ってきました(そんな気がしました)。

1週間という長い期間中、ほとんど日中は学会に参加し(本当です、信じてください笑)、ミッドウェイ博物館の軍艦を見に行ったりラ・ホヤへアザラシウォッチングに行ったりカジノに行ったり、とにかくサンディエゴを満喫できました。

英語を習得することは必須と痛感し、最新の知見に触れ、学会発表も積極的にしなくてはいけないと実感し、非常に有意義な学会参加となりました。このような貴重な機会を与えてくださった高井教授、カバン持ちのはずが逆に終始接待し面倒を見てくださった眞島先生、大島先生、松井先生、不在中ご迷惑をおかけした医局の先生方に厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

ESSKAに参加して

中島 駿(平成27年卒)

この度、2018年5月9-11日にスコットランドのグラスゴーにて行われた、第18回European Society of Sports Traumatology, Knee Surgery & Arthroscopy (ESSKA)に参加しましたのでご報告致します。

今回は演者の米田先生、飯澤先生の鞄持ちとして、人生初の国際学会を経験することができました。発表もしない自分が国際学会に参加できたのは、新入局員に早い段階で広い視野を持つ機会を与えようという教授のご厚意です。貴重な機会を与えて下さった高井教授、医局員の皆様にこの場を借りて感謝申しあげます。

時期としてはゴールデンウィーク明けでありましたが、現地は雨が多く、思わず薄いダウンを羽織りたくなるような肌寒い気温でした。学会はScottish Event Campusというカンファレンスセンターで行われ、アルマジロという名の非常にデザイン性の高いモダンな建物が印象的でした。まずA clinical-Shoulder-Rotator Cuffのセッションを聞いてみました。nativeの英語は早く、逆にそうでない人の英語はなまりが強く、どちらも満足に理解できないままE-poster会場に逃げ込みました。E-posterのモニターは7,8個あり、一つのモニターを独占して自分のペースで読み進めることができました。気をとりなおしてオーラル会場に戻ってみると、アジア人(おそらく中国の方)がなまりの強い英語で強く質問しているのをみて、学会ではメンタルでまず負けない、そのことが大事なのだなと痛感しました。

学会が終わると、米田先生と飯澤先生にスコットランドの郷土料理を白ぶどうのみで作ったイギリスのスパークリング(イギリスはほとんど白ぶどうしか生産していないらしい)で乾杯して堪能したり、崖の上にそびえ立つエディンバラ城の見学をしたりと、ちゃっかりしっかり観光もさせていただきました。

このような機会を与えて下さった医局員の皆様に重ねて感謝申し上げます。

AAOS,ORSに参加して

明石裕貴(平成26年卒)

2018年3月13日-17日にアメリカのニューオリンズで開催されたAmerican Academy of Orthopaedic Surgeons Annual MeetingおよびOrthopaedic Research Society Annual Meetingに眞島教授、大島先生と共に参加させて頂きましたので報告致します。

当医局の、スタッフの海外学会参加にカバン持ちとして同行できる、という素晴らしい制度を活用し、AAOS?ORS??のレベルであった私の珍道中を報告させていただきます。

成田空港からダラス空港経由でニューオリンズのルイ・アームストロング・ニューオリンズ国際空港に到着し、眞島先生と合流してホテルに向かいました。4年ぶりぐらいの海外であった自分は、ここでいきなりのトラブルを発生いたしました。ホテルに向かうタクシーの中に日本からレンタルで持参したポケットWi-Fiを忘れてしまい、誰とも連絡が取れない状況になりました。ホテルの無料Wi-Fiを駆使しながらなんとかタクシーを手配してくださった方と連絡をとり、夜に受け取ることができました。眞島先生曰く盗難されずに見つかったには奇跡とのことです。後日談ですが発見してくださったタクシーの運転手さんはインド人の方で、このような致命的なミスをする外国人を見過ごせなかったと言っていたみたいです。

気を改めて初日夜のディナー公演に参加した自分は早速英語という壁にぶつかりました。正直申し上げますと医師5年目を迎えるような時期であり、学会に参加して公演を聞いていても内容を理解できるようになりはじめたところであったので、海外学会も発表を聞けば理解はできるであろうと高を括っておりましたが、実際はほとんど理解できませんでした。時々スライドにでてくる見慣れた画像、図表と見慣れない英文を紐解きながらなんとか3割ぐらいを理解したところで初日を終えました。

到着翌日より会場アーネストN. モリアル・コンベンションセンターにて本格的にAAOSに参加しました。セッションを膝の分野に限定して聞きましたが、前日と同様に見慣れた画像、図表と見慣れない英文と自分なりの推測でなんとか発表を理解しようと奮闘しましたが、なかなか難しいところでした。3日間AAOSに参加したことで思ったこと、気づいたこと感じたことは以下の通りです。

英語ができないとなにもできない:最初から最後までこれは痛感しました。特に質疑応答で質問の内容がわからないことが多数でした。しかもネイティブな方々は一度聞き直してもゆっくり喋ってもらえるわけではないので、リスニング力も必要だと感じました。

企業スペースがとにかく広い:今まで参加した学会の中で圧倒的に広かったです。企業展示スペースの一角で眞島先生と待ち合わせをしましたが、合流に20分以上かかってしまいました。

日本人が少ない:当然のことかもしれないですが、ほとんど日本人の先生を見ることがなく過ごしました。たまに発表されている先生方もおられましたが、ただただすごいなという尊敬を感じてました。

学会に参加しながら空いた時間でニューオリンズの街を観光しました。ニューオリンズはメキシコ湾に面し、ミシシッピ川河口に位置する都市で、かつてはフランス領であり、市内のフレンチ・クウォーターと呼ばれる地区には、今もフランス植民地時代の雰囲気を残しています。またジャズの街としても有名であり、街中には数々のジャズバーがあり、ジャズを堪能することもできます。フレンチ・クウォーターの中にはバーボンストリートという有名な通りがあり、昼夜問わず賑わいをみせています。バーボンストリートの散歩は、アメリカ人特有の陽気さに圧倒されながらcombineされた文化を楽しみました。またニューオリンズはアメリカの4大スポーツでもあるバスケットボール、アメリカンフットボールのプロチームがあり、バスケットボール部出身である自分はNBAのニューオリンズ・ペリカンズの本拠地であるスムージー・キング・センターに2度足を運びました。

3月15日よりORSに参加しました。場所はニューオリンズのハイアット・リージェンシーに移りました。ORSになると途端に日本人の先生方の参加率がぐっと増え、会場の3割は日本人のような感覚でした。他大学の大学院の先生方が多々発表に来られているようであり、自分もがんばらねばと刺激をうけました。2日目にポスター発表で大島先生の発表がありました。日本のポスター発表と違い、最初にポスターを貼り、そのポスターの近くに立って、質問があればそれに応答するというスタイルでした。大島先生が外国の先生方と英語で流暢に応答する姿を見させて頂き、とても背中が大きく感じられました。また会場では自分の大学時代の部活の先輩(3学年上)にも偶然会い、その先輩のオーラル発表も聞きました。ここで自分もさらに日々精進していかねばならないと改めて実感致しました。

1週間という長い期間、2つの学会に参加しながら、ニューオリンズの街を観光したり、カジノに行ったりとにかくニューオリンズを満喫できました。今後医師、整形外科医として成長していく過程で、英語の知識、会話が重要であること、学会発表も頻回に行うことの重要性、研究の大切さ、先輩方のたくましさを実感しながらニューオリンズを後にしました。

このような貴重な機会をあたえてくださった高井教授、カバン持ちのはずが逆に終始接待し面倒みてくださった眞島教授、大島先生、不在の中ご迷惑をおかけした医局の先生方に厚く御礼申し上げます。誠に有難うございました。