2021年4月1日
日本医科大学 整形外科では
ロボティックアーム手術による人工膝関節置換術を
保険適用で開始しました
当院ではこのたび、日本で初めて承認された整形外科におけるロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を導入し、2021年4月1日から人工膝関節置換術を保険診療で行います。
ロボティックアームとは、一般に「人の手の代わりに作業を行う機械の腕(アーム)」のことで、自動で動くものや人が操作して動かすものなどがあります。このたび当院で導入したロボティックアームは、術中に医師が操作をして動かすもので、人工関節を設置する際に傷んだ骨を削るために使われます。ロボティックアームは、治療計画にない部位にさしかかると止まる仕組みになっており、計画外の動きを制御することで、安全かつ正確な手術を可能にします。
これまでの研究で、ロボティックアームを用いた人工関節置換術は人工関節インプラントの設置精度と手術手技の安全性が向上し(*1)、また人工膝関節置換術後の疼痛の低減(*2)などのメリットが期待できると報告されています。
当院では変形性膝関節症などで悩む患者さんが、人工膝関節置換手術後、より健康的な生活を送っていただけるよう、今後ロボティックアームを用いた手術を積極的に行ってまいります。
本件に関するお問い合わせ先:
日本医科大学付属病院 整形外科
代表Tel:03-3822-2131
- Hampp EL, et al, Robotic-Arm Assisted Total Knee Arthroplasty Demonstrated Greater Accuracy and Precision to Plan Compared with Manual Techniques., The Journal of Knee Surgery. 32(3), 239-250 (2019).
- Marchand RD, et al. Patient Satisfaction Outcomes after Robotic Arm-Assisted Total Knee Arthroplasty: A Short Term Evaluation. The Journal of Knee Surgery. 30, 849-853 (2017)
(写真)ロボティックアーム手術支援システム
Makoシステム
膝関節用ロボティックアーム(左) カメラスタンド(中央) ガイダンスモジュール(右)
(人工膝関節全置換術実施時)
写真提供:日本ストライカー株式会社